インフレになりますと、銀行金利は上昇しますので、変動金利の住宅ローンの金利も上昇します。ただし、銀行によっても違うと思いますが、一般的に住宅ローンの変動金利は、半年間に一度ずつの見直しで、金利の変動幅も一度に0.5%幅までしか変更できないようになっているみたいです。(ご自身でご確認くださいませ。)ですので、急激な金利上昇になった場合でも、住宅ローン金利の急激な上昇は難しいのではないのでしょうか。

 フラット35などの住宅ローン全期間固定金利の場合では、いくらインフレで金利が上昇しても、固定金利のため、住宅ローン金利は上昇しませんので安心です。(ハイパーインフレなどの経済混乱期に銀行が律儀に契約を守ってくれるかどうかは不明なところです。) 

 住宅ローン(借金) はお金になりますので、インフレになりますとお金の価値は下がります。よって、借金の価値も下がってしまいます。

 例えば、価値5000万円の住宅を住宅ローン固定金利で5000万円にて購入しました。1年後 インフレで物価が2倍の物価上昇となっていた場合(毎月25万円ずつ住宅ローン返済中)

〈1年後の住宅価値と住宅ローン残高:インフレ率2倍〉 
 住宅価値1億円、住宅ローン残高は25万円×12ヶ月=300万円支払った後なので、4700万円

 さらにもう1年後(初年から2年後) インフレは昨年から5倍(初年から10倍)の物価上昇となっていた場合(毎月25万円ずつ住宅ローン返済中、昨年は300万円払い済み)

〈2年後の住宅価値と住宅ローン残高:インフレ率10倍〉 
 住宅価値5億円、住宅ローン残高は25万円×24ヶ月=600万円支払った後なので、4400万円

 5000万円しか借金していないのに2年後には5億円の価値のある住宅に住んでいます。逆に言えば、借金の価値が1/10になったということです。その時はインフレで返済者の収入も増えていますので、住宅ローンの返済も楽に出来る可能性があります。