国債(公債)は購入時期に金利が決まってしまいますので、インフレが進行していく状態であれば、基本的には目減りしていきます。

 例えば、10年物の国債の金利が1%だったときに、100万円分国債を購入したとします。すると、10年後にはクーポン(金利分) は10万円(税金は考慮していません)ですので、足して110万円になって償還(返金)されます。

 この金利は単利計算ですので、100万円の1%は1万円です。それが10年分ですので10万円の金利になるのですが、この10年間で100万円が110万円になる複利計算で%を割り出しますと、約0.95%になります。要するに複利で100万円を10年間、0.95%で運用しますと10年後には110万円になって戻ってきます。

 もし年率10%のインフレが10年間発生していた場合に、国債の金利も10%だとして、その時に100万円分国債を購入したとします。すると、10年後にはクーポン(金利分) は100万円(税金は考慮していません)ですので、足して200万円になって償還(返金)されます。

 国債の金利は単利計算ですので、1年間にもらえる金利は100万円の10%の10万円です。それが10年分になりますので、100万円もらえます。しかし、年率10%のインフレは複利(前年比) 計算になりますので、100万円が10年後には259万円になっていないと、目減りしていることになります。

 (国債償還分200万円) ー(インフレ259万円)=59万円の目減り

 インフレ率が10年間、変化しないとは考えにくいので、ケースとして10%から毎年さらにプラス2%ずつ上昇していくと想定すると(翌年は12%、その次の年は14%・・・、10年目には28%) 

 100万円が10年後には562万円になっていないと目減りです。

 インフレ時には単利計算である国債は購入時の金利が国債の償還日まで適応されますので不利となる可能性があります。