インフレーションとは

インフレの仕組、過去のインフレの実例、インフレが与える資産の影響、インフレの対処法をまとめたブログです。

現在、政府・日銀が大量に紙幣をばら撒いてインフレ政策を取っておりますが、そもそもインフレとは何なのでしょうか。その疑問に色々な角度から当ブログ管理人の主観を元に考察してみました。少しでも皆様の資産防衛のお役に立てられれば幸いです。

インフレについて

インフレ(インフレーション)とは

 インフレーションとは物やサービス全体の物価が、持続的に上昇する経済現象です。日本語では「通貨膨張」、「物価騰貴」と言います。要は、物の値が上がり、通貨の価値が下がることです。

 例えば同じ100万円でも、インフレになると買える物の量が少なくなることです。お金の保有額100万円自体は減りませんが、実質的にお金の価値が下がってしまうことです。 

インフレの種類

実質的要因インフレ  …戦後など物が足りていない状態
需要インフレ             …過剰な建設需要などがインフレを招く
供給インフレ             …原油高騰などコストが高くなる
貨幣的要因インフレ  …通貨の供給量が増える(財政インフレ) 

インフレのスピード

クリーピングインフレ
 緩やかに進行するインフレ。インフレ率が年数%で好景気に見られ、年2〜4%程度のインフレは健全に経済が成長していると言われます。

ギャロッピングインフレ
 早足に進行するインフレ。インフレ率が10〜数十%程度です。年10%のインフレが7年連続で続くと、物価が100%(2倍) 以上になってしまいます。

ハイパーインフレ
 定義は色々あります。国際会計上では3年で100%(年率約26%) の物価上昇がハイパーインフレと言われますが、一般的には「猛烈な勢いで進行するインフレ」という意味で用いられています。
 ハイパーインフレになると、1年間でインフレ率の算出では、追いつかなくなり、月率、週率、日率と段々期間を狭めてインフレ率を算出します。しかし、こうなりますと一般生活レベルでは、時・場所・物によって物価の違いが出てくる現象が発生する可能性があり、正常な経済活動はより困難な状態となっていきます。 

インフレ率とは

 インフレ率とは通常、消費者物価指数(CPI:consumer price index)の前年と比べての増減率(%)を表したものです。ポイントは前年比ということです。前の年と比べて物価がどれだけ高く(低く)なったかです。ちなみにこのインフレ率がマイナスの場合は、物価が前年よりも低かったことを意味します。

 例えば、前年のインフレ率がー5%で、今年が5%だったとします。すると前年は1万円の物がー5%で9523円となります。そして今年はその金額に5%増加しますので、9999円になります。今年だけ見れば、物価は5%増加しましたが、このパターンの場合は、結局前々年の物価水準まで戻っただけとなります。

 もう一つ例えますと、前年のインフレ率が5%で、今年も5%だったとします。すると前年は1万円の物が5%で10500円になります。そして今年はその金額にさらに5%増加しますので、11025円となります。そうするとこの2年間のインフレ率は10.25%になります。今年の数値だけでは、正直判断できないですよね。

 ちなみに毎年同じインフレ率が10年続くと、物価上昇は
インフレ率          2%                5%              10%           50%        100%
10年後        1.218倍     1.628倍     2.593倍    57.66倍     1024倍

 このインフレ率が高くなればなるほど、複利計算ですので物価上昇の効果が出てきてしまいます。今、アベノミクスで物価上昇率を年2%にしようとしております。本当に2%になって、その経済が10年間維持できた場合には、1億円の現金をお持ちの人は、10年後に1億2180万円になっていないと目減りしているということです。

 1億円の2% は200万円ですので、少ないように感じられますが、複利計算でしかも10年間という時間がありますから2180万円という金額になってきます。

 ちなみにある人が言うには、日本の1889年(明治22年) から2009年(平成21年)の120年間の物価上昇は3000倍になっているということです。120年間の平均インフレ率は年6.9%だったということになります。

世界のインフレ率

 では、世界のインフレ率はどうなっているのでしょうか。1980〜2015年までの、主要各国のインフレ率最高値・最低値・2015年4月時点のインフレ率予想値と、過去36年間のインフレ率の単純平均値(年)を載せました。(数値はすべて消費者物価指数の年平均値、財務省参照)

〈アジア 〉
日本  最高値1980年7.81%  最低値2010年-0.72%  2015年1.01%  平均値1.05%
中国  最高値1988年27.9%  最低値1999年-1.40%  2015年1.20%  平均値4.36%
インド  最高値1991年13.48%  最低値1999年3.43%  2015年9.09%  平均値 8.21%
ベトナム  最高値1986年453.45%  最低値2000年-1.77%  2015年2.50%  平均値 55.8%
シンガポール  最高値1980年8.53%  最低値1986年 -1.38%  2015年0.04%  平均値2.16%
韓国  最高値1980年28.7%  最低値1999年0.81%  2015年1.55%  平均値5.16%

〈アメリカ・アフリカ・オセアニア〉
アメリカ  最高値1980年13.5%  最低値2009年-0.32%  2015年0.10%  平均値3.37%
ブラジル  最高値1990年2947.7%  最低値1998年3.2%  2015年7.84%  平均値331.5%
アルゼンチン 最高値1989年3079.4% 最低値1999年-1.17% 2015年10.5% 平均値244%
南アフリカ  最高値1986年18.75%  最低値2010年4.27%  2015年4.50%  平均値9.39%
ジンバブエ  最高値2008年156.9%  最低値2007年-72.7%  2015年-1.05%  平均値9.05%
オーストラリア 最高値1982年11.3%  最低値1997年0.23%  2015年2.01%  平均値4.32%

〈欧州〉
イギリス  最高値1980年16.85%  最低値2015年0.13%  2015年0.13%  平均値3.78%
ドイツ  最高値1993年4.22%  最低値2015年0.21%  2015年0.21%  平均値2.16%
イタリア  最高値1980年21.80%  最低値2015年0.00%  2015年0.00%  平均値5.22%
ギリシャ  最高値1980年24.67%  最低値2014年-1.43%  2015年-0.30%  平均値 9.56%
ハンガリー  最高値1991年34.23%  最低値2014年-0.30%  2015年0.00%  平均値10.79%
ロシア  最高値1993年874.62%  最低値2012年5.07%  2015年17.94%  平均値76.01%

 太字の所は、インフレ率最高値の年100%以上記録している年です。平均値の所は年10%以上のところです。こう見ますと世界ではとんでもないインフレ率が出ていたことが分かります。ちなみに日本も昔は7%台のインフレ率が出ていました。 

※2015年4月時点の数値です。 
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