インフレーションとは

インフレの仕組、過去のインフレの実例、インフレが与える資産の影響、インフレの対処法をまとめたブログです。

現在、政府・日銀が大量に紙幣をばら撒いてインフレ政策を取っておりますが、そもそもインフレとは何なのでしょうか。その疑問に色々な角度から当ブログ管理人の主観を元に考察してみました。少しでも皆様の資産防衛のお役に立てられれば幸いです。

インフレ対処法(まとめ)

 今回はインフレ対策にて実物資産の代表格である金地金を例にとってみましたが、内容の方はご理解いただけましたでしょうか。

 金地金だけではインフレが由来の資産目減りは防げられないということです。ただし、条件としましては、インフレ率と金地金の値動きが同じように動くということです。

 ハイパーインフレなどの行き過ぎたインフレの兆候が発生していた場合には、インフレ対策での金地金ニーズは増えてくるため、インフレ率以上に金地金の価値が上昇することも予想できます。

 しかし、それでもインフレでの資産目減り分をカバーするだけの金地金価値上昇は難しいのかもしれません。

 インフレ対策としましては、金地金、不動産や外貨預金、株式、あとは先物取引などになりますが、どれを取りましても、現金・預貯金の目減り分を100%カバーすることは出来ないと思います。

 ここで気を付けなければいけないことはインフレになったとき、リスクを恐れて他の投資・運用をせずに 現金だけで財産を保有していること自体もリスクだということです。

 インフレ対策の候補に挙がっている運用方法(金地金・不動産・外貨預金・株式・先物取引など) は、もちろんリスクはあります。元本保証ではありません。

 インフレ対策として、元本保証でない運用をするリスクと、インフレ時に現金保有で目減りするリスクを比べたときに、どちらの方が、よりリスクが大きいでしょうか。 

実物資産でインフレ対策

 現金1億円をタンス預金(銀行には預けないで自宅に保管)していた場合、インフレでどれだけ現金価値が目減りするのか、またその目減り分を実物資産(今回は金地金)でカバーするためにはどれだけ保有していたらいいのか試算してみました。

【条件】 期間は10年間、インフレ率は10年通して一定の率
   1億円以外は保有していなく、インフレ以外では目減りもしない
   金地金1キロ500万円で購入(インフレ率と同じ上昇率で計算) 

パターン①   インフレ率年2%   10年間で21.89%
   1億円→10年後=1億2189万円
   現金だけの場合、10年間で2189万円の目減り
   金地金500万円→10年後= 609万4500円の価値
   金地金1キロの価値増加分=109万4500円 
   2189万円÷109万4500円=20キロ
   20キロ×500万円=1億円 

パターン②   インフレ率年=10%   10年間で159.37%
   1億円→10年後=2億5937万円
   現金だけの場合、10年間で1億5937万円の目減り
   金地金500万円→10年後= 1296万8500円の価値
   金地金1キロの価値増加分=796万8500円 
   1億5937万円÷796万8500円=20キロ
   20キロ×500万円=1億円 

パターン③   インフレ率年100%   10年間で1024.00%
   1億円→10年後=1024億円
   現金だけの場合、10年間で1023億円の目減り
   金地金500万円→10年後= 51億2000万円の価値
   金地金1キロの価値増加分=51億1500万円 
   1023億円÷51億1500万円=20キロ
   20キロ×500万円=1億円 

 お分かりの通り、現金を実物資産(金地金)でインフレの目減り分をカバーしようと思いますと、現金を全て実物資産に換えない限り、目減り分全額をカバーすることが出来ません。

 こう考えてみれば当たり前のことなのですが、先入観があってなかなかこの考えにたどり着くことは難しいのです。実物資産はインフレに強いと思っている人も多いと思いますが、現金を少しでも持っていると、インフレが進めば進むほど、損も大きくなっていきます。

 最近では、インフレ対策で総資産の10%程度実物資産を持っていればいいということが言われていますが、今回のケースに当てはめますと

パターン④   インフレ率年=10%   10年間で159.37%
   1億円→10年後=2億5937万円
   現金だけの場合、10年間で1億5937万円の目減り
   1億円の10%は1000万円、金地金を2キロ保有しますと
   金地金2キロ1000万円→10年後= 2593万7000円の価値
   金地金2キロの価値増加分=1593万7000円 
   1億5937万円ー1593万7000円=1億4343万3000円の目減り

 これでは、インフレの目減り分を実物資産でカバー出来ないということです。もちろん、これはタンス預金だからですが、銀行には預けておけば、インフレ上昇分は銀行金利である程度はカバー出来ると思います。

 しかし、やはり銀行の金利だけでは、カバーは難しいのではないのでしょうか。

 ようは、インフレ時には現金を持っているだけでリスクになるということです。デフレとは、実物資産の価値が下がり、紙幣の価値が高くなる現象です。銀行金利がほとんど付かなくても、その分、物価が下がってくれていたので、現金の価値は高まっていたのです。

 ただ、そのようなデフレの時代もアベノミクスによって脱却の時が来ております。これからはインフレに対応したリスク管理をしていかなくてはいけない時代に突入しました。 

資産のインフレ影響(まとめ)

・現金
   インフレになると目減りしていく
   銀行金利がインフレ率と同じになれば目減りは防げる
   ハイパーインフレ時は、手許に現金を置きたくない

・株式
   基本的にはインフレにて株価は上昇する
   インフレで会社は賃金コスト増加、物価上昇で売上も増加

・国債
   インフレになると目減りしていく
   国債金利は購入時に決まるので、その後のインフレは影響なし
   国債金利は単利計算、インフレ率は複利計算

・外貨
   インフレ対策に適している
   外貨は、自国の通貨と他国の通貨の相対的な評価なため、自国以上に、他国がインフレの場合は、目減りする

・不動産
   インフレになると不動産価値は上昇する
   価値上昇分、固定資産税増加、不動産売却時に譲渡所得増加

・住宅ローン
   インフレになると住宅ローン(借金) は減っていく
   フラット35などの固定金利の場合はさらに恩恵あり

・生命保険
   インフレにて将来受け取る保険の価値は目減りする

・年金
   インフレにて年金支給額はマクロ経済スライド分目減りする
   年金を納める方は、一回のインフレで無価値になる可能性 

〈年金〉インフレの影響

 まず年金を受け取る方ですが、インフレが来た場合は、物価スライドという仕組みがあったので、物価上昇率に対しても、年金支給はその分上乗せされていました。

 ですので、インフレに対して年金は安心でした。ちなみに個人事業主は国民年金と国民年金基金の2本立ての年金ですが、この物価スライドは国民年金だけで、国民年金基金には適用されませんでした。インフレの分はそのまま目減りしていきます。サラリーマンは国民年金と厚生年金の2本立てですが、どちらも物価スライドは適応されてました。

 しかし、2004年に年金改正法でこの物価スライドはなくなり、その代わりにマクロ経済スライドという仕組みを適用するようになりました。このマクロ経済スライドとは、その物価上昇率から0.9%のスライド調整率を引いた数値を年金支給額に掛けることです。

 年金財源が不足していますので、その不足分を補うために、スライド調整をして支給額を0.9%分、少し減らそうということです。

 たった0.9%と思われるかもしれませんが、これは結構あります。それは、年金は長期間受け取るからです。例えば、年金を20年間受け取るとしたとき、1年目は300万円年金が支給されたとします。物価上昇率年2%が20年間続いたとしますと(複利計算) 

・20年目の年金支給額(年) 
   以前まで…445万円
   0.9%減…373万円   差額72万円

・20年間の合計年金支給額
   以前まで…7434万円
   0.9%減…6742万円   差額692万円

 これだけの差が発生します。しかもこのマクロ経済スライド0.9%の数値はその時の情勢によって政府が変更してくる可能性があります。

 そして、年金を納める方ですが、インフレが来ますと今まで納め積み立てていた年金は目減りすることになります。お金の価値が低下していきますので、年金を納めた意味がなくなってしまう可能性があります。

  しかも、インフレが進行すればするほど、月々の年金を納める金額を政府が増額してくる可能性がありますので負担増大の可能性もあります。 

〈生命保険〉インフレの影響

 生命保険は毎月(もしくは毎年・一括)保険料を保険会社に支払って、将来自分が死んだ時や、怪我・病気などで費用が発生した時に、保険会社が保険の保証分を支払ってくれる仕組みです。

 万が一の時の保険が生命保険であり、安心して生活できるための金融商品として位置付けられています。

 保険の種類にも色々ありますが、生命保険の代表である死亡保険は、保険契約者が死亡した時、遺族に何千万円と保険金として保険会社から支払われます。その間、保険契約者は保険会社に保険料を納めています。コツコツ支払ったものを将来受け取ること、保険は財産と言えます。

 それらの保険はインフレが来ますと、目減りしていきます。基本的に将来もらえる保険金の額は、保険契約時に確定しています。(変額保険などは運用次第で保険金額が変わっていきます。) 

 保険とは、保険料を20年間とか30年間支払って、保険金を受け取る金融商品です。保険料の支払いを始めてから保険金を受け取るまでの間にインフレが発生しますと、お金の価値は下がっていきますので、受け取る保険金の価値も下がっていきます。

 なお、保険金をもらえる理由が早く来てしまった時、保険料を支払った総額よりも保険金の方が多い場合でも、インフレでお金の価値は下がりますので、やはり目減りしてしまうことになります。

 保険会社は保険契約者から集金したお金を国債や株式などに投資をし、出た運用益や保険料の元本を保険金の支払いに当てています。中にはインフレに強い投資運用先もあるとは思いますが、やはり現金や国債などの投資比率が多い保険会社が普通です。となりますと、インフレで資産価値は下がってしまいます。

 保険会社はインフレで資産が目減りしてしまった場合、保険契約者に保険金を支払う金額は確保されているのかという疑問がありますが、保険会社はソルベンシー・マージン(支払余力)と言って、万が一のための責任準備金を厳格に積み立てていますので、金融庁の厳しい指導もあり、保険金が支払われなくなったり、減額されるリスクは低くなっています。ソルベンシー・マージン比率が高い保険会社を選ぶのもポイントのひとつではないのでしょうか。
プロフィール

インフレマスター

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